大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和27(れ)126 判決

主 文

昭和二六年六月八日附原判決、同年五月九日附原判決中の被告人Aに関

する部分を破棄する。

本件を東京高等裁判所に差戻す。

理 由

被告人Bの弁護人伊藤博文、同美村貞夫の上告趣意(後記)について

第一点

原判決が、被告人Bに対する詐欺の事実(原判示第一の被告人Bが相被告人A外

一名と共謀の上、C通運株式会社D営業所係員(E)を欺罔して硫酸アンモニヤ三

一九叺を騙取した事実)の証拠としてEに対する昭和二三年八月一〇日附司法警察

官聴取書を採用していることは、所論のとおりである。しかるに、記録によると、

原審は第二回公判期日において弁護人伊藤博文から被告人B、同AのためEを証人

として喚問されたい旨の申請がなされたにもかかわらず、第三回公判期日に右証人

申請を必要なしとして却下している。また、右Eは第一審においても証人としての

取調がなされていない。されば、原審は刑訴応急措置法一二条一項に規定する書類

の供述者につき、証人としての訊問申請があつたのにこれを却下しながら、判決に

その書類を証拠として採つたものであつて、右条項に反することが明らかであるか

ら(昭和二二年(れ)第八四号同二三年四月二一日大法廷判決参照)、論旨は理由

があり、原判決はこの点において破棄を免れない。そして右破棄の理由は適法に上

告した共同被告人Aに共通であるから原判決は旧刑訴四五一条により右被告人のた

めにもこれを破棄すべきものである。

よつて爾余の論旨及び被告人Aの弁護人森良作、同石川泰三、同飯沢進提出の上

告趣意に対する判断を省略し、刑訴施行法二条、三条の二、刑訴四一一条一号、四

四八条ノ二に従い主文のとおり判決する。

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この判決は、裁判官全員一致の意見である。

検察官 安平政吉関与

昭和二七年一二月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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